ジンセイ=ジンセイ!

聖戦士としてならワンチャンあると思う

ヤマト2202 第十三話がヤバいくらい面白い

 

amzn.asia はいどうもー!ナラティブに死んでも触れるか!って騒いでる人生くんです。絶対ヤマト2199&2202絶賛するうえでUCやNT好きじゃないっていうのは突っ込まれポイントの気がするけどまあそこは突っ込まないで貰えると嬉しいです。そんな楽しくない話はしたくない。

 はい、今回は宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第十三話 テレザート上陸作戦・敵ミサイル艦隊を叩け!という回が如何に素晴らしかったかという話です。

 そもそも僕はヤマトに関しては殆ど無知でした。昔お父様に連れられてヤマトの映画を見に行った(今調べると復活編って奴だった)のが始まりなんですがそれも全く記憶がない。なんか劇場の最後に全何部作!とか言ってなかったっけ?と思ってたらキムタクがヤマトに乗り出して仰天した事だけは印象に残ってます。ヤマトに乗るキムタク、ちょっと今度見とくか。

 とまあこの頃ガンダムとかは漁ったりもしてましたがヤマトに関しては完全にノータッチ。2199のアニメがやってる頃もお父様が見てるのは知ってましたが一話から見れる環境じゃなかったのでじゃあ触れなくていいやと思ってスルー。その後スパロボVで強引に2199に触れる羽目になりましたが印象としてはキャラが多いからヤマトのストーリーパート無駄になげぇなって辺りでした。スパロボでしか触れてない作品に詳しくなるって無理くないですか?僕はわざと知らない作品の情報は抑え気味でやろうとしてる所もありますが。結局ヤマトに触れたのはdアニストアで2199が配信されたのが最初といって差し支えないと思います。オタク、見て。

 見終わった後にそういえば2202って作品が劇場でやってなかったっけ?と思ったらちょうど十月から放送!dナイス!!とか言いながら一話一話追ってます。現時点では十五話、デスラーという人間の重みにやられてしまった。こっちで記事書いてもいいくらい。2019年アニメベストエピソード候補です、2019でいいのか?まあいいや。

 十三話の話です。

 2202の今までの話はメインであるガトランティスというクローニングでの生命体と愛で育まれる地球人との交流とも取れる争いと同じくらい2199でイスカンダルで交わした波動砲を使わないという約束にも重きが置かれていました。一話では地球の新兵器が波動砲を使った時の元ヤマトクルーの憤りから始まったのもそれの証左でしょう。どうしても波動砲を使わなきゃいけない状況に陥った時約束を守って死ぬか?それとも約束を交わした自分たちですら波動砲を使い敵を殲滅するのか。今までは波動砲を使いつつも敵の殲滅という使用用途はギリギリ避け自分たちの命を救い続けます。しかし、その引金の重さに苦しむ古代を罵る人間が一人だけいます。

 それは2199でイスカンダルへと旅をしていない斎藤始でした。まあイスカンダルへ旅をしていなければそんな一艦長がした約束に縛られる必要も無いでしょう。そもそも彼も命懸けです。しかし十三話、計画が狂い波動砲を敵艦隊に直撃させなければどうしても危機から脱せない状況に陥ってしまいます。「敵艦隊に波動砲を直撃させる!」と古代はとうとう波動砲を敵を殺す武器として使う事を決断します。それでも波動砲の発射シークエンスを指示する事は出来ず躊躇ってしまう。そんな時に斎藤から古代は約束したから仕方ない、代わりに土方に撃ってくれという通信が入ります。決定的な約束を破る決断を同じくイスカンダルの約束に縛られていない人間に託すのは諦めでもありますが、同時に優しさでしょう。

 ですが、それを否定したのは同じくイスカンダルへの旅をしていないキーマンでした。「だめだ。これは、イスカンダルに旅した者が等しく背負う十字架だ。自ら呪縛を断たない限り、ヤマトに未来はない」と言い捨てます。決してヤマトのクルーは責任から逃げていたわけではありません。でも、古代の悩みに対して積極的なアクションを起こせていたかというとNOと言わざるをえません。きっと古代が波動砲を撃とうが撃たまいがヤマトのクルーは決して古代を責める事もなくお前は正しかったとフォローまでしたでしょう。しかし、その責任は古代だけのものではなく、イスカンダルへと旅した者全てが波動砲を撃つという事への共犯者とならねば結局古代一人の約束となってしまうわけです。島のお前ひとりの引金じゃないという言葉はまさしくその通り、全員の引金であり呪縛だったわけです。リアタイ視聴では絶賛ヤマトを裏切りデスラーに着いたキーマンが言うと余計に深みがある。どうなってしまうんだこれから。

 と、イスカンダルとの約束というストーリーが一つの節目を迎えると同時にガトランティスとの愛の話にも一つの変化があります。ガトランティスの司令官の一人、ゴーランドと彼のクローニングの育成途中であるミルという少年の話です。十三話でミルは親子の愛というものについて考えます。他の惑星にいる化け物にすらあるそれを他のガトランティス人は知らないと答えます。ゴーランドに至ってはエゴであり全体への貢献には結び付かないと言い捨てます。そんなミルは初陣で惜しくも波動砲に焼かれてしまう事となります。しかし最後、波動砲の光を見たゴーランドが取った行動はミルを庇う様に抱きしめ、涙ながらに謝罪をするというガトランティス人にとっては考えられない行動でした。

 この行動に意味はありません。艦隊を一撃で壊滅させる波動砲の前には一人が盾になろうが防げるものでは無い。波動砲を艦隊に向けて撃つことはないという予測も今までの事を考えれば決して失策では無い上にそれをミルに謝る事自体がズレています。でも、最後の死ぬ瞬間、最早自分がガトランティスの為に出来る事はないと悟った彼がとった行動は自死ではなく愛によって突き動かされたものでした。例えここでヤマトを討ち取り、順調に育ちゴーランドと成った所で一生得る事は出来なかったであろう父からの愛を最後に享けれたミルの言葉は、とても穏やかで素晴らしい物でした。この光景には降伏・捕虜という概念すらないガトランティスに新たな道が開ける可能性があるんじゃないかって期待せずにはいられません。しかし、愛を知ることがないガトランティス人が愛を知ったのは愛の戦士たちが愛ゆえに非情の波動砲を撃った瞬間というのが実に苦しい。なぜ人間は死ぬ前にわかりあう事が出来ないのだろうか。

 

 波動砲の使用禁止は2202のオリジナル設定だと聞きます(本当かどうかしっかり確かめてないから間違ってたら教えてください。訂正します)。確かに僕も見ててちょっとじれったいな、とか地球みんなが約束破ってるんだし別に好き好んで使うわけじゃないんだから割り切れよと思ったりもしましたが、そんな事も出来ない誠実な人間たちだったからこそ地球が再生したと思うと決して笑っていい話でも無いのでしょう。しかし、それは呪縛であり、本当に守るべき物を守るときの枷となった時破らなきゃいけないものでもあるのでしょう。その矛盾を全員で背負っていく事が十三話の波動砲発射シーンだったのだと思うのであってくれてよかったです。この蒼き曜がガトランティスに愛を伝える事を祈って続きを見ていきたいです。

 まったく関係ないんですけど、デスラー砲オマージュの赤いビームが放たれる軒轅剣・蒼き曜をよろしくお願いします。